自己破産すると官報に載る?掲載内容・回数・90日後の公開範囲

自己破産を検討している方からは、「自己破産すると官報に載るのか」「官報に載ったら家族や会社にばれるのか」「インターネットで何年も名前検索されるのか」という相談がよくあります。結論からいうと、自己破産をすると、破産手続開始決定や免責許可決定などが官報に掲載されます。これは破産法上の公告として行われるため、原則として避けることはできません。

もっとも、官報に載ることと、家族・勤務先・知人へ個別に通知されることは別です。また、令和7年4月1日から官報が電子化されたことに伴い、官報発行サイトでの公開範囲や検索のされ方も変わっています。古い記事にある「官報はインターネットで永久に名前検索できる」という説明を、そのまま現在の制度に当てはめるのは正確ではありません。

この記事では、自己破産と官報について、掲載される内容、掲載回数、掲載時期、90日後の公開範囲、家族や会社に知られる可能性、信用情報との違いを整理して解説します。

  • 自己破産をすると、破産手続開始決定や免責許可決定が官報に掲載されます。
  • 官報には、事件番号、住所、氏名、決定内容、裁判所名などが掲載されます。
  • 同時廃止事件では通常2回、管財事件では2〜3回以上掲載されることがあります。
  • 令和7年4月以降、官報発行サイトでは直近90日間は官報全体を閲覧できますが、破産・免責などの一部記事は90日後の公開が制限されます。
  • 官報掲載だけで家族や会社に必ず知られるわけではありませんが、保証人・勤務先借入・資格制限・信用情報は別に確認が必要です。

坂尾陽弁護士

官報への掲載は自己破産の手続上避けにくいものですが、実際に周囲へ知られる経路は官報だけではありません。保証人、勤務先借入、家計、郵便物、信用情報など、現実に問題になりやすい経路を先に整理することが大切です。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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自己破産すると官報に掲載されるのは原則として避けられない

自己破産をすると、裁判所の決定内容が官報に公告されます。官報は、国の法令や公示事項を掲載する国の公報であり、破産手続に関する一定の事項も官報を通じて公告されます。

破産法10条は、破産法上の公告は官報に掲載して行うものと定めています。個人の自己破産では、破産手続開始決定、同時廃止や破産手続廃止・終結に関する決定、免責許可決定などが問題になります。つまり、自己破産を選ぶ以上、官報掲載そのものを任意に拒否することは基本的にできません。

ただし、官報に掲載されることは、「裁判所から家族や勤務先へ直接通知される」という意味ではありません。官報は誰でも閲覧できる公的な公告ですが、実際に日常的に官報を確認している人は限られます。周囲に知られるかどうかは、官報だけでなく、保証人への請求、勤務先が債権者かどうか、給与差押え、資格制限、家計の変化など別の事情とあわせて考える必要があります。

よくある誤解 実際の考え方
自己破産をすると戸籍や住民票に載る 戸籍や住民票に「自己破産」と記載されるわけではありません。官報公告とは別です。
官報に載ると会社へ通知される 官報掲載だけで勤務先へ個別通知されるわけではありません。ただし、勤務先が債権者である場合などは別です。
家族の信用情報にも傷がつく 自己破産した本人の手続であり、家族が保証人でない限り、家族の信用情報へ当然に登録されるわけではありません。
官報に載ったらインターネットで永久に名前検索される 令和7年4月以降の官報発行サイトでは、破産・免責などの一部記事について、90日後の閲覧制限やテキスト検索を困難にする措置が取られています。
官報に載らない方法を選べる 自己破産では法定公告として官報掲載が行われるため、掲載を回避する方法は原則ありません。
MEMO

官報掲載を恐れて申立てを遅らせると、遅延損害金、給与差押え、保証人への請求、家族への説明の遅れなど、別の問題が大きくなることがあります。官報の不安は、掲載内容と実際の閲覧可能性に分けて整理しましょう。


官報に掲載される内容

自己破産で官報に掲載される情報は、裁判所の決定内容を公告するために必要な事項です。掲載例は裁判所や事件類型によって多少異なりますが、一般的には、事件番号、住所、氏名、決定内容、決定日時、裁判所名などが中心です。

破産手続開始決定のときに掲載される内容

破産手続開始決定が出ると、官報には、破産手続を開始したことが掲載されます。同時廃止事件では、破産手続開始と同時に破産手続を廃止する旨も一緒に掲載されることがあります。

掲載される主な内容は、次のとおりです。

  • 事件番号:裁判所で管理される破産事件の番号です。
  • 住所・氏名:破産者本人を特定するための情報です。
  • 決定年月日時:破産手続開始決定がされた日時です。
  • 主文:破産手続を開始する旨、同時廃止の場合は手続を廃止する旨などです。
  • 破産管財人の氏名:管財事件では破産管財人が選任されるため、その氏名が掲載されることがあります。
  • 債権届出期間・債権者集会期日など:管財事件では、債権者が手続に参加するための期間や期日が掲載されます。
  • 裁判所名:決定をした裁判所が掲載されます。

一方で、借金の理由、借入先の詳細、借金総額、家計の内訳、家族の名前、勤務先名などが、常に細かく掲載されるわけではありません。ただし、住所と氏名は掲載されるため、同姓同名の多い名前であっても、住所と合わせて本人を特定される可能性はあります。

免責許可決定のときに掲載される内容

免責許可決定が出た場合も、官報に掲載されます。免責とは、破産手続で配当されなかった借金について、法律上の支払義務を免除する制度です。免責について詳しくは、自己破産の免責とは?許可の条件・免責されない借金・不許可事由で解説しています。

免責許可決定の公告では、事件番号、住所、氏名、免責を許可する旨、決定日時、裁判所名などが掲載されます。免責許可決定は、官報に掲載された後、即時抗告期間が経過して確定します。実務上は、免責許可決定が出た日と、免責が確定する日は同じではない点に注意が必要です。

官報に掲載されない情報もある

官報に掲載されるのは、破産手続に必要な公告事項です。自己破産に至った事情をすべて公表する制度ではありません。たとえば、次のような情報は、通常の官報公告で細かく掲載されるものではありません。

  • 借金をした理由
  • 債権者ごとの借入額
  • 家計収支の細かい内容
  • 預貯金口座の残高明細
  • 家族の氏名や勤務先
  • 勤務先名
  • 免責不許可事由の詳しい調査内容

ただし、管財事件では破産管財人が財産・郵便物・取引履歴を調査しますし、債権者には裁判所から個別通知が届くことがあります。官報に掲載されない情報であっても、破産手続の中で裁判所や破産管財人へ説明が必要になる情報はあります。


官報に載る回数は同時廃止なら通常2回、管財事件では増えることがある

自己破産で官報に載る回数は、事件類型によって変わります。個人の自己破産では、同時廃止事件か管財事件かを分けて考えると整理しやすいです。

事件類型 主な掲載タイミング 掲載回数の目安 注意点
同時廃止事件 破産手続開始決定・同時廃止決定、免責許可決定 通常2回 財産が少なく、破産管財人が選任されない典型的な個人破産で多い類型です。
管財事件 破産手続開始決定、破産手続廃止又は終結、免責許可決定 2〜3回以上 破産管財人が選任され、債権者集会や配当の有無によって公告が増えることがあります。
少額管財事件 基本は管財事件と同じ 2〜3回以上 運用上は手続が比較的短くても、開始・終了・免責に関する公告は問題になります。
期日変更・配当などがある事件 開始・終了・免責以外の公告が入ることがある 個別事情により増える 債権者集会、配当、異時廃止など、事件の進み方によって異なります。

同時廃止事件では開始決定と免責許可決定の2回が基本

同時廃止事件とは、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するなどの理由により、破産手続開始と同時に破産手続を廃止する事件類型です。個人の自己破産で、換価すべき大きな財産がなく、免責調査も大きくない場合に選ばれることがあります。

同時廃止事件では、破産手続開始決定と同時廃止決定が1回目の官報に掲載され、その後、免責許可決定が2回目の官報に掲載されるのが基本です。したがって、「自己破産の官報は何回載るか」と聞かれた場合、同時廃止では通常2回と説明されることが多いです。

管財事件では開始・終了・免責などで複数回掲載される

管財事件では、破産管財人が選任され、財産調査、換価、債権者集会、配当の有無などが問題になります。そのため、破産手続開始決定、破産手続の廃止又は終結、免責許可決定など、手続の節目ごとに官報公告が行われる可能性があります。

管財事件でも、破産手続の終了と免責許可決定が近い時期に行われることがありますが、公告上は同時廃止よりも回数が増えやすいと考えておきましょう。管財事件の流れは、自己破産の管財事件とは?同時廃止との違い・流れ・費用・期間でも詳しく解説しています。

官報に載る日は決定日そのものとは限らない

官報には、裁判所の決定内容が一定の事務処理を経て掲載されます。そのため、破産手続開始決定や免責許可決定が出たその日に、直ちに官報へ掲載されるとは限りません。掲載までの日数は裁判所や時期によって異なります。

特に免責許可決定については、「決定が出た日」「官報に掲載された日」「免責許可決定が確定した日」を分けて考える必要があります。クレジットカードやローンの申込み、賃貸審査、携帯端末の分割購入などを検討する場合は、免責許可決定後すぐではなく、信用情報の登録状況や本人開示も確認しましょう。


自己破産の官報は何年残る?90日後の公開範囲を正しく理解する

以前は、官報について「インターネット版官報で一定期間見られる」「有料の官報情報検索サービスで過去分を検索できる」「紙の官報や図書館資料として残る」など、複数の説明が混在していました。令和7年4月1日から官報が電子化されたため、現在は、官報発行サイトでの公開範囲と、それ以外の記録・信用情報を分けて理解する必要があります。

官報発行サイトでは直近90日間は官報全体を閲覧できる

令和7年4月1日以降、官報は官報発行サイトに掲載されることによって発行され、掲載された電子データが正本とされています。官報発行サイトでは、発行から原則90日間、官報全体を無料で閲覧・ダウンロードできます。

したがって、自己破産の官報公告も、掲載後しばらくの間は官報発行サイト上で閲覧対象になります。もっとも、破産や免責などの公告はプライバシーへの配慮が必要な記事として扱われ、記事の画像化や検索制限などの措置が取られます。

90日経過後は破産・免責などの一部記事の閲覧が制限される

官報発行サイトでは、特定の個人を対象とした処分に係る記事などについて、プライバシーの確保への配慮から、記事を画像化してテキスト抽出やテキスト検索を困難にし、90日経過後は当該記事を閲覧・ダウンロードできなくする措置が取られています。

公開対象の記事に関する資料でも、相続、公示催告、失踪、破産、再生、免責などに関する裁判所公告は、90日経過後に閲覧できなくなる記事として整理されています。そのため、少なくとも令和7年4月以降の自己破産公告については、「官報発行サイトで何年も誰でも閲覧できる」という説明は現在の公式運用とは合いません。

90日後にすべての記録が消えるわけではない

注意すべきなのは、90日後の閲覧制限は「官報発行サイトでの一般公開範囲」の問題であり、自己破産の事実そのものがなかったことになるわけではないという点です。裁判所の事件記録、債権者への通知、金融機関や保証会社の社内情報、信用情報機関の登録とは別に考える必要があります。

たとえば、全国銀行個人信用情報センターでは、官報に公告された破産・民事再生手続開始決定に関する官報情報について、決定日から7年を超えない期間の登録が問題になります。信用情報機関ごとの登録期間や開示方法は、自己破産のブラックリストは何年?CIC・JICC・KSCの登録期間で詳しく解説しています。

注意

「官報発行サイトで90日後に見られなくなる」ことと、「信用情報から消える」ことは別です。ローン、クレジットカード、保証会社、携帯端末分割などの審査では、官報の公開期間だけでなく信用情報や社内情報も確認されます。

令和7年3月以前の情報は扱いが異なる可能性がある

令和7年3月31日以前に発行された官報は、旧インターネット版官報や官報情報検索サービスとの関係で扱いが異なります。過去の官報をどこまで閲覧できるか、どの方法で検索できるかは、発行時期や記事の種類によって変わります。

そのため、過去に自己破産した人が「自分の官報情報は今どう見えるのか」を確認したい場合は、発行時期を確認したうえで、官報発行サイト、官報情報検索サービス、信用情報機関の本人開示を分けて確認することが大切です。


官報から家族・会社・知人に知られる可能性

官報は誰でも閲覧できる公的な公告ですが、一般の人が毎日官報を確認しているわけではありません。したがって、官報に掲載されたことだけで、家族・会社・知人に必ず知られるとはいえません。

もっとも、官報以外の経路から自己破産が知られることはあります。どの経路が問題になりやすいかを、あらかじめ確認しておきましょう。

家族に知られる主な経路は官報よりも生活上の変化です

家族が官報を見て自己破産に気づく可能性は高くありません。現実には、裁判所や弁護士との書類のやり取り、家計の見直し、通帳・保険・自動車・持ち家の資料提出、クレジットカードの利用停止、保証人への請求などから家族に伝わることが多いです。

同居家族がいる場合、家計状況の説明や必要書類の準備を完全に隠したまま進めるのは難しいことがあります。家族への影響全体は、自己破産の家族への影響|仕事・住まい・信用情報への影響も解説も参考にしてください。

会社に知られるかは勤務先が債権者かどうかが重要です

官報に掲載されたからといって、裁判所から勤務先へ当然に通知されるわけではありません。会社員の場合、勤務先が債権者でない限り、官報だけで会社に知られる可能性は一般的には高くありません。

ただし、勤務先から社内貸付を受けている場合、勤務先が保証人になっている場合、給与差押えが既に行われている場合、退職金見込額証明書が必要になる場合、資格制限のある仕事をしている場合は、勤務先との関係が問題になります。詳しくは、自己破産は会社にばれる?勤務先への通知・解雇・給料・就職への影響で解説しています。

資格制限のある仕事では官報以外の制度確認が必要です

警備員、保険募集人、宅地建物取引士、士業など、一定の資格や登録が問題になる仕事では、自己破産による資格制限や復権の時期を確認する必要があります。これは「官報を会社が見るか」という問題とは別に、業法上の欠格事由や登録手続の問題です。

特に警備員については、破産手続開始決定後、復権するまで警備業務に就けない場面があります。警備員の資格制限は、警備員が自己破産すると仕事はできない?資格制限と復権までの期間で詳しく解説しています。

金融機関・保証会社は官報そのものより信用情報を見ます

ローン、クレジットカード、賃貸保証、携帯端末の分割購入などでは、官報そのものよりも、信用情報機関の登録や社内審査が問題になることが多いです。官報の公開期間が90日で制限されるとしても、信用情報機関の登録期間が同じとは限りません。

賃貸契約では、信販系保証会社、カード払い必須物件、過去の家賃滞納などが審査に影響することがあります。賃貸への影響は、自己破産すると賃貸契約できない?今の家・入居審査・引っ越しへの影響も参考にしてください。


官報掲載で注意したい実務上のリスク

官報掲載は避けられないとしても、掲載後の行動によってリスクを抑えることはできます。特に、官報を見た業者からの勧誘、保証人への説明、信用情報の確認、住所変更の管理には注意が必要です。

官報掲載後の借入れ勧誘には応じない

過去には、官報情報を見た業者から、破産者に対して融資勧誘やダイレクトメールが届くケースがありました。自己破産後に生活費が不安な時期ほど、「審査なし」「即日融資」「ブラックでも借りられる」といった勧誘に反応しやすくなります。

しかし、自己破産後に安易に借入れをすると、生活再建が難しくなるだけでなく、違法業者や高金利業者とのトラブルにつながる危険があります。免責許可が出る前の新たな借入れは、免責判断にも悪影響を及ぼす可能性があります。

注意

官報掲載後に届く融資勧誘や「借りられる」広告に安易に応じないでください。生活費が足りない場合は、新たな借入れではなく、家計の見直し、公的制度、弁護士への相談で対応を検討するべきです。

保証人には官報より先に説明が必要になることが多い

自己破産をしても、保証人や連帯保証人の責任は免責されません。主債務者が自己破産すると、保証人に一括請求が行くことがあります。そのため、保証人がいる借金では、官報に載るかどうかよりも、保証人へいつどのように説明するかが重要です。

保証人への影響については、自己破産すると保証人・連帯保証人はどうなる?請求・一括返済・対処法で詳しく解説しています。

住所変更や転居予定は弁護士へ早めに伝える

官報には住所が掲載されるため、「申立て前に住所を変えれば隠せるのではないか」と考える方もいます。しかし、住所変更を隠したり、実際に住んでいない住所を使ったりすると、裁判所への説明に問題が出ます。

転居予定がある場合、申立書、住民票、家計資料、郵便物、破産管財人の調査、裁判所からの連絡に影響します。管財事件では、破産手続開始後の転居について裁判所の許可が必要になることもあります。住まいを変える予定がある場合は、申立て前に弁護士へ伝えてください。

外部サイトへの転載と官報そのものは分けて考える

官報は法定公告として掲載されるものですが、官報情報を第三者が収集し、破産者情報として外部サイトやSNSで拡散する行為は別問題です。官報そのものの掲載を消すことは原則としてできませんが、外部サイトへの違法・不当な転載、検索結果の表示、なりすまし、嫌がらせがある場合は、削除請求や発信者情報開示など別の対応を検討する余地があります。

ただし、削除できるかどうかは、掲載媒体、掲載内容、公益性、プライバシー侵害の程度、運営者の所在などによって変わります。個別に判断が必要です。


官報掲載が不安なときに確認すべきこと

官報掲載が不安な場合は、「誰に知られると困るのか」「その人が官報を見る可能性があるのか」「官報以外の経路で知られる可能性があるのか」を分けて考えると、対策を立てやすくなります。

確認する相手・場面 官報で知られる可能性 実際に重視すべき経路 対応の方向性
同居家族 低いことが多い 家計、郵便物、必要書類、クレジットカード停止、保証人への請求 手続に必要な範囲で、早めに説明するかを検討します。
勤務先 通常は高くない 勤務先借入、給与差押え、退職金資料、資格制限 勤務先が債権者か、職種に制限があるかを確認します。
保証人・連帯保証人 官報より前に問題化しやすい 債権者からの請求、一括返済請求、保証契約 保証人がいる借金は、申立て前に説明方針を決めます。
金融機関・保証会社 官報情報を直接又は間接的に把握する可能性があります 信用情報機関、社内情報、審査情報 本人開示で登録状況を確認し、無理な申込みを避けます。
知人・近所 一般には高くありません 郵便物、引っ越し、家族・勤務先経由の噂 必要以上に不安を広げず、現実的な経路だけを確認します。

官報掲載を理由に自己破産を避けるべきとは限らない

官報に住所・氏名が載ることは、心理的に大きな不安材料です。しかし、自己破産を避けるために返済不能な状態を放置すると、遅延損害金、訴訟、給与差押え、保証人への請求、家族への説明の遅れなど、より現実的な不利益が大きくなることがあります。

自己破産のデメリットは官報だけではありません。信用情報、財産、保証人、資格制限、住まいなども含めて総合的に比較する必要があります。自己破産のメリット・デメリットは、自己破産のデメリットとは?メリット・できないこと・よくある誤解で整理しています。

官報公告費も裁判所費用の一部として確認する

自己破産では、裁判所に納める費用の中に官報公告費が含まれます。金額や納付方法は裁判所・事件類型・申立時期によって変わるため、古い情報をそのまま使わないように注意が必要です。

申立費用全体を確認したい場合は、自己破産の裁判所費用・予納金はいくら?同時廃止・管財事件別も参考にしてください。

信用情報は本人開示で確認する

官報に載ったかどうかと、信用情報機関にどのように登録されているかは別です。クレジットカード、住宅ローン、賃貸保証、携帯端末分割などの審査を考える場合は、一定期間が経過した後に、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなどで本人開示を行うことが有効です。

特に、全国銀行個人信用情報センターの官報情報は、破産手続開始決定日から7年を超えない期間が問題になります。官報発行サイトで90日後に閲覧制限がかかることと混同しないようにしましょう。


自己破産と官報に関するよくある質問

自己破産の官報は何年残りますか?

令和7年4月以降の官報発行サイトでは、発行から原則90日間は官報全体を無料で閲覧・ダウンロードできます。破産・免責などの裁判所公告は、90日経過後に閲覧できなくなる記事として整理されています。

ただし、これは官報発行サイトでの公開範囲の話です。自己破産の事実がすべての場面で90日後に消えるわけではなく、信用情報機関の登録、金融機関の社内情報、裁判所記録、債権者側の記録は別に考える必要があります。

自己破産は官報で名前検索できますか?

令和7年4月以降、官報発行サイトでは、特定の個人を対象とした処分に係る記事などについて、画像化によりテキスト抽出やテキスト検索を困難にする措置が取られています。また、官報情報検索サービスでも、プライバシー配慮が必要な記事については記事検索の対象から除外される方向で運用が変更されています。

そのため、以前のように「氏名を入力すれば過去の破産公告を簡単に検索できる」とは説明しにくくなっています。ただし、公開期間中の官報を日付や紙面から確認される可能性までゼロになるわけではありません。

官報に住所は載りますか?

自己破産の官報公告では、通常、破産者の住所と氏名が掲載されます。住所が掲載される点が不安な場合でも、虚偽の住所を使うことはできません。転居予定がある場合、住民票と実際の居住地、郵便物の受け取り、裁判所への届出に影響するため、弁護士に早めに伝えてください。

官報に載らない自己破産の方法はありますか?

自己破産では、破産法上の公告として官報掲載が行われるため、官報に一切載らない方法を選ぶことは原則としてできません。官報掲載を避けたい場合、任意整理など裁判所を使わない債務整理を検討する余地はありますが、借金額、収入、財産、保証人、差押え状況によって適否が変わります。

官報を避けるためだけに無理な返済を続けると、生活再建が難しくなることがあります。債務整理の方法は、官報だけでなく、借金を現実に減らせるか、保証人にどう影響するか、将来の家計が維持できるかで判断しましょう。

免責許可決定は官報掲載からいつ確定しますか?

免責許可決定は、決定が出た時点で直ちに確定するわけではありません。官報公告によって関係者に周知され、即時抗告期間が経過してから確定します。実務上は、官報掲載後2週間程度を経て確定するものとして扱われることが多いです。

免責許可決定が出た直後に、すぐクレジットカードやローンへ申し込むのは避けた方がよいです。免責の確定、信用情報の反映、本人開示の確認を分けて考えてください。

家族が官報を見た場合、家族に借金の支払義務が移りますか?

官報に掲載されたからといって、家族に借金の支払義務が移るわけではありません。家族が支払義務を負うのは、家族が保証人・連帯保証人になっている場合、家族名義で借りている場合、夫婦や親子で別途共同債務を負っている場合などです。

家族が保証人になっているかどうかは、官報よりも重要な確認事項です。保証人がいる場合は、自己破産前に請求の流れと対応方針を整理しましょう。

官報に載った後、携帯や賃貸契約に影響しますか?

携帯や賃貸契約では、官報そのものよりも、信用情報、端末分割、通信料滞納、保証会社、カード払いの有無が問題になることが多いです。官報掲載だけで、現在の携帯回線や賃貸契約が当然に終了するわけではありません。

携帯契約への影響は、自己破産後も携帯・スマホは使える?通信契約・端末分割・未払いで詳しく解説しています。


まとめ

自己破産をすると、破産手続開始決定や免責許可決定などが官報に掲載されます。官報掲載は破産法上の公告であるため、原則として避けることはできません。掲載内容には、事件番号、住所、氏名、決定内容、決定日時、裁判所名などが含まれます。

同時廃止事件では通常2回、管財事件では開始・終了・免責などで2〜3回以上掲載されることがあります。もっとも、令和7年4月以降の官報発行サイトでは、発行から原則90日間は閲覧できる一方、破産・免責などの一部記事は90日後の閲覧や検索に制限がかかる扱いになっています。

  • 自己破産の官報掲載は、原則として避けられません。
  • 掲載される主な情報は、住所・氏名・事件番号・決定内容・裁判所名です。
  • 同時廃止では通常2回、管財事件では2〜3回以上載ることがあります。
  • 令和7年4月以降は、破産・免責などの公告について90日後の公開範囲が制限されます。
  • 家族・会社に知られる経路は官報だけではないため、保証人、勤務先借入、信用情報、資格制限を先に整理しましょう。

坂尾陽弁護士

官報に載る不安は大きいですが、実際の生活への影響は、保証人、勤務先、信用情報、住まい、携帯契約などの具体的な事情によって変わります。官報だけを理由に判断せず、借金全体と生活再建の見通しを整理してから方針を決めましょう。

関連記事

官報への掲載は、家族・勤務先・信用情報・住まい・免責の問題とあわせて確認すると整理しやすくなります。

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