自己破産のデメリットとは?メリット・できないこと・よくある誤解

自己破産のデメリットは、財産処分、信用情報への登録、官報掲載、一部の職業・資格制限、保証人への請求などです。一方で、免責許可が確定すれば、多くの借金の支払義務を免れ、返済に追われる生活を立て直せるという大きなメリットがあります。

大切なのは、「デメリットがあるから自己破産は避ける」と決めつけることでも、「借金がなくなるからすぐ申し立てる」と考えることでもありません。自分の財産、仕事、保証人、借金の種類、借入れの原因を整理したうえで、メリットとデメリットを同じ土台で比較することです。

  • 自己破産の最大のメリットは、免責許可により多くの借金の支払義務を免れることです
  • 主なデメリットは、財産・信用情報・官報・資格制限・保証人への影響です
  • 資格制限や郵便物の転送などは、主に手続中の一時的な制限として問題になります
  • 戸籍に載る、選挙権を失う、家族の財産が当然に処分される、という誤解は正しくありません
  • 財産隠し、債権者漏れ、家族だけへの返済、新規借入れは後悔につながりやすい行動です

坂尾陽弁護士

自己破産のデメリットは、正しく整理すれば対策できるものも多くあります。まずは「何を失う可能性があるか」「何は失わないか」を分けて確認しましょう。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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自己破産のデメリットはメリットとセットで判断する

自己破産は、返済不能になった借金を整理するための強力な手続です。そのため、メリットも大きい一方で、一定のデメリットもあります。自己破産を検討するときは、各デメリットが自分にどの程度影響するのかを確認することが重要です。

判断軸 メリット デメリット・注意点 特に確認すべき人
借金返済 免責許可が確定すれば、多くの借金の支払義務を免れます 税金・養育費・一部の損害賠償などは残ることがあります 税金滞納、養育費、慰謝料、交通事故等の債務がある人
財産 生活に必要な財産は残せる場合があります 持ち家、ローン中の車、高価な財産は処分対象になることがあります 住宅、車、保険、退職金見込額、相続財産がある人
信用情報 返済不能状態を整理し、将来の生活再建を目指せます 一定期間、カードやローンの審査に通りにくくなります 住宅ローン、車ローン、クレジットカードを使う予定がある人
仕事 多くの職業では、自己破産だけで当然に仕事を失うわけではありません 警備員、保険募集人、士業など一部の資格・職業に一時的な制限があります 資格職、登録制の職業、会社役員、金融・保険関係の人
家族・保証人 家族の財産や信用情報に当然の影響はありません 保証人・連帯保証人には請求が移る可能性があります 家族や友人が保証人になっている人
手続対応 弁護士に依頼すると、債権者対応や書類準備を整理しやすくなります 財産や借入原因を正直に説明しないと免責で問題になります ギャンブル、浪費、投資損失、財産移転、債権者漏れがある人

自己破産で実際に何が起こるかを全体的に確認したい場合は、自己破産したらどうなる?借金・財産・家族・仕事への影響をご覧ください。自己破産の制度全体を確認したい場合は、自己破産とは?条件・費用・流れ・生活への影響をわかりやすく解説も参考になります。

MEMO

自己破産のデメリットは、すべての人に同じ強さで出るわけではありません。たとえば持ち家がない人には住宅処分の影響は小さく、資格制限の対象職ではない人には職業制限の影響も限定的です。


自己破産の主なメリット

自己破産のデメリットを正しく理解するためには、まず自己破産で得られるメリットを確認する必要があります。借金を返し続けることが難しい状態では、返済を続けること自体が生活や家族関係を悪化させる原因になることがあります。

多くの借金の支払義務を免れることを目指せる

自己破産の中心的なメリットは、免責許可が確定すると、多くの借金について法律上の支払義務を免れることができる点です。カードローン、消費者金融、クレジットカード利用残高、銀行ローン、家族や友人からの借金などは、一般的には免責の対象になり得ます。

もっとも、破産手続開始決定だけで借金が当然に消えるわけではありません。個人の自己破産で生活を立て直すには、免責許可を得ることが重要です。免責制度の詳しい内容は、自己破産の免責とは?許可の条件・免責されない借金・不許可事由で解説しています。

督促や返済のプレッシャーを整理しやすくなる

弁護士に自己破産を依頼すると、貸金業者などに受任通知を送るのが通常です。これにより、貸金業者から本人への直接の督促や取立てが止まることが多く、毎月の返済に追われて生活費が足りなくなる状態を整理しやすくなります。

ただし、税金の滞納、養育費、個人債権者、すでに進んでいる裁判や差押えなどは、別途の対応が必要になることがあります。督促が止まるかどうかだけで判断せず、債権者の種類を一覧化して確認することが大切です。

生活再建の出発点を作れる

返済のために借入れを繰り返している状態では、借金の総額が減らず、家計の見通しも立ちにくくなります。自己破産により返済不能状態を法的に整理できれば、収入を生活費、家賃、医療費、教育費、将来の貯蓄に回しやすくなります。

自己破産は、借金問題をなかったことにする制度ではなく、財産と債務を裁判所の手続で整理し、誠実に生活を立て直すための制度です。条件に当てはまるか不安な場合は、自己破産できる条件とは?支払不能・免責の要件をわかりやすく解説も確認してください。

返済不能のまま放置するリスクを抑えられる

返済できない状態を放置すると、遅延損害金が増え、訴訟、給与差押え、預金差押えに進むことがあります。自己破産の準備を始めることで、債権者、財産、家計、収入を整理し、今後の対応を決めやすくなります。

もちろん、自己破産が常に最善とは限りません。安定収入があり、住宅を残したい場合や、保証人への影響を避けたい場合などは、個人再生や任意整理が候補になることもあります。


自己破産の主なデメリット

自己破産のデメリットは、財産、信用情報、官報、仕事、保証人、免責されない債務に分けて整理すると理解しやすくなります。特に注意すべきなのは、手続中だけの制限と、免責後もしばらく続く影響を混同しないことです。

一定の財産は処分対象になる

自己破産では、破産手続開始時点の本人名義の財産が調査されます。生活に必要な最低限の財産や自由財産として扱われるものは残せる場合がありますが、持ち家、一定額を超える預貯金・保険解約返戻金、ローン中の車、高価な動産などは処分対象になることがあります。

財産の扱いは、同時廃止か管財事件か、財産の種類、価値、ローンの有無、裁判所の運用によって変わります。詳しくは、自己破産で残せる財産・失う財産|自由財産と処分基準を確認してください。

信用情報への登録によりカードやローンが使いにくくなる

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報や官報情報などが登録され、一定期間、クレジットカードの新規作成、カード更新、住宅ローン、車ローン、スマートフォン本体の分割払い、保証人になることなどが難しくなります。

CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターでは、登録される情報の種類や保有期間が異なります。たとえば、CICでは官報情報は現在保有されていませんが、クレジット情報は契約中および契約終了から5年間が目安です。JICCでは契約継続中および契約終了後5年以内、全国銀行個人信用情報センターでは官報情報が破産・民事再生手続開始決定から7年を超えない期間とされています。

実際にいつ消えるかは、登録された情報の種類、債権者の報告、免責確定の反映状況によって変わります。詳細は、自己破産のブラックリストは何年?CIC・JICC・KSCの登録期間で確認してください。

官報に掲載される

自己破産では、破産手続開始決定や免責許可決定が官報に掲載されます。官報は国が発行する公告文書であり、誰でも閲覧可能です。そのため、制度上は自己破産の事実が公表されることになります。

もっとも、一般の人が日常的に官報を確認していることは多くありません。官報掲載だけで直ちに勤務先や近所に知られるとは限りませんが、金融機関、信用情報機関、士業・警備業など一定の業界では確認される可能性があります。

一部の職業や資格に手続中の制限がある

自己破産をすると、破産手続開始から復権までの間、一部の資格や職業に制限が生じることがあります。典型例として、警備員、保険募集人、士業、宅地建物取引士、一定の会社役員・団体役員などが問題になることがあります。

資格制限は、すべての仕事に及ぶものではありません。多くの会社員、公務員、パート、アルバイトでは、自己破産だけで当然に退職しなければならないわけではありません。該当する職種かどうかは個別法で確認が必要です。詳しくは、警備員が自己破産すると仕事はできない?資格制限と復権までの期間を参考にしてください。

保証人・連帯保証人には請求が移る可能性がある

自己破産による免責は、破産者本人の支払責任を免除する制度です。保証人や連帯保証人の支払義務まで当然になくなるわけではありません。そのため、本人が自己破産すると、債権者から保証人へ一括請求されることがあります。

家族や友人が保証人になっている場合、自己破産の前に保証債務の内容、残額、分割交渉の余地、保証人自身の債務整理の必要性を確認することが大切です。詳しくは、自己破産すると保証人・連帯保証人はどうなる?請求・一括返済・対処法をご覧ください。

税金・養育費など免責されない債務がある

自己破産をして免責許可が確定しても、すべての支払義務が消えるわけではありません。税金、社会保険料、養育費、婚姻費用、罰金、一定の損害賠償債務などは、免責されない債務として残ることがあります。

これらの債務が大きい場合、自己破産をしても生活再建の効果が限定されることがあります。非免責債権については、自己破産で免責されない借金とは?非免責債権7類型と注意点で詳しく解説しています。

管財事件では郵便物や居住移転の制限が問題になる

破産管財人が選任される管財事件では、郵便物が破産管財人に転送されたり、裁判所の許可なく居住地を離れることが制限されたりする場合があります。これは財産調査や債権者保護のための手続上の制限です。

同時廃止では、通常、破産管財人が選任されないため、管財事件特有の郵便物転送などは問題になりません。自分の手続がどちらになりそうかは、財産、借入原因、事業の有無などで変わります。管財事件については、自己破産の管財事件とは?同時廃止との違い・流れ・費用・期間も参考になります。


自己破産でできないこと・しにくくなること

「自己破産でできないこと」は、一生できないことではなく、手続中だけ制限されること、信用情報の登録期間中に難しくなること、そもそもしてはいけないことに分ける必要があります。

区分 できないこと・しにくくなること 期間・注意点
手続中の制限 一部の資格職に就くこと、管財事件での自由な転居・長期旅行、財産の勝手な処分など 主に破産手続開始から復権までの間に問題になります。
信用情報の影響 クレジットカード作成、住宅ローン・車ローン、スマホ分割払い、保証人になることなど 信用情報の登録が消えるまで難しくなります。審査は各会社の判断です。
手続上してはいけないこと 財産隠し、債権者漏れ、特定の債権者だけへの返済、新規借入れ、虚偽説明など 免責不許可、管財事件化、手続遅延につながるおそれがあります。
免責後も残ること 税金、養育費、婚姻費用、一定の損害賠償債務の支払い 免責許可が確定しても支払義務が残る場合があります。
契約上影響し得ること 賃貸審査、保証会社の審査、携帯電話の分割契約、借入先銀行口座の利用など 滞納の有無、保証会社、借入先、契約内容によって影響が変わります。

自己破産してもできることも多い

自己破産には制限がありますが、できることまで過度に狭く考える必要はありません。たとえば、自己破産をしても選挙権や被選挙権を失うわけではなく、戸籍や住民票に自己破産の事実が記載されるわけでもありません。

  • 多くの仕事は続けられる:資格制限の対象でない仕事では、自己破産だけで当然に働けなくなるわけではありません。
  • 家族の財産は当然には処分されない:原則として、処分対象は破産者本人の財産です。ただし名義だけ家族にしている財産などは問題になります。
  • 現金払いやデビットカード等は利用できる場合がある:信用取引ではない支払手段で生活を組み立てることは可能です。
  • 銀行口座を一生使えないわけではない:借入先の銀行では相殺や凍結の問題がありますが、すべての口座が永久に使えないわけではありません。
  • 賃貸住宅に必ず住めなくなるわけではない:家賃滞納や保証会社の審査がある場合は別途注意が必要です。

住まいや引っ越しへの影響は、自己破産すると賃貸契約できない?今の家・入居審査・引っ越しへの影響で詳しく確認できます。


自己破産でよくある誤解

自己破産にはデメリットがありますが、インターネット上では実際よりも重く受け止められている誤解もあります。誤解に基づいて手続を避けると、返済不能状態が長引き、かえって生活への影響が大きくなることがあります。

よくある誤解 実際の考え方 注意点
戸籍や住民票に載る 自己破産の事実が戸籍や住民票に記載されるわけではありません 官報には掲載されます。
選挙権を失う 自己破産だけで選挙権・被選挙権を失うわけではありません 公職や資格による個別制限とは別です。
家族の財産も処分される 原則として本人名義の財産が対象です 実質的に本人の財産を家族名義にしている場合は問題になります。
会社に必ず知られて解雇される 自己破産だけで当然に会社へ通知されるわけではなく、直ちに解雇理由になるとは限りません 勤務先から借入れがある、給与差押えがある、資格制限職である場合は注意が必要です。
二度とカードやローンを使えない 信用情報の登録期間中は難しくなりますが、一生不可能とは限りません 登録が消えても審査に通るかは各会社の判断です。
自己破産すればすべての借金が消える 免責されない債務は残ります 税金、養育費、一定の損害賠償などは事前確認が必要です。
ギャンブルや浪費があると絶対に免責されない 免責不許可事由になり得ますが、事情によっては裁量免責の余地があります 隠さず説明し、家計改善や再発防止を示すことが重要です。
注意

誤解を恐れて財産や借入原因を隠すと、かえって免責不許可のリスクが高くなります。自己破産で最も避けるべきなのは、事実を隠したまま手続を進めることです。


自己破産で後悔しやすいケース

自己破産は生活再建に有効な手続ですが、事前に確認しないまま進めると、思わぬ影響で後悔することがあります。次のような事情がある場合は、申立て前に必ず弁護士へ伝えることが大切です。

保証人・連帯保証人がいるケース

保証人がいる借金を自己破産すると、債権者は保証人に請求できます。本人の借金が免責されても、保証人の支払義務は当然には消えません。家族や友人が保証人の場合、人間関係への影響も大きくなります。

保証人への影響を避けたい場合、任意整理、個人再生、保証人との同時相談など、別の方針を検討する必要があります。

持ち家や車を残したいケース

持ち家がある場合、自己破産では手放す方向になるのが通常です。住宅ローンを残したまま自宅を維持したい場合は、個人再生が候補になることがあります。車についても、ローン中で所有権留保がある場合や、価値が高い場合には、引き揚げや換価の対象になることがあります。

車の詳しい扱いは、自己破産すると車はどうなる?残せる条件・ローン・家族名義を参考にしてください。住宅ローンや持ち家は、自己破産すると住宅ローン・持ち家はどうなる?売却・退去・家を残す方法で解説しています。

資格制限の対象職に就いているケース

警備員、保険募集人、宅建業関係、士業など、破産手続中の資格制限が問題になる職種では、申立てのタイミングや勤務先への説明、代替業務の有無を検討する必要があります。

資格制限を見落として申し立てると、仕事の調整が間に合わず、収入や勤務継続に影響することがあります。資格制限が疑われる場合は、自己判断で進めないようにしましょう。

税金・養育費・損害賠償などが多いケース

税金、社会保険料、養育費、婚姻費用、一定の損害賠償債務が大きい場合、自己破産をしても支払いが残ることがあります。この場合、免責される借金と残る債務を分けて、破産後の分納や支払計画を考える必要があります。

税金滞納については、自己破産しても税金は免除されない|滞納処分・差押え・分納と猶予も確認してください。

財産隠し・債権者漏れ・偏った返済があるケース

自己破産の申立てでは、財産、債権者、借入原因、家計状況を正確に申告する必要があります。申立前に家族や友人だけへ返済する、車や預金を家族名義に移す、債権者一覧から一部の債権者を外す、といった行為は、免責不許可や管財事件化のリスクになります。

すでに一部の返済や財産移転をしてしまった場合も、隠さず弁護士へ伝えることが重要です。財産隠しや債権者漏れについては、自己破産で財産隠し・債権者漏れをするとどうなる?調査・訂正・罰則で詳しく解説しています。

ギャンブル・浪費・投資損失があるケース

ギャンブル、浪費、FX、株式、暗号資産などで借金が増えた場合、免責不許可事由が問題になることがあります。ただし、免責不許可事由があるからといって、必ず免責されないと決まるわけではありません。裁判所が事情全体を見て裁量免責を認めることもあります。

重要なのは、借入原因を隠さず、家計改善、依存症対策、再発防止、生活再建の姿勢を示すことです。ギャンブルの借金は、ギャンブル・パチンコの借金でも自己破産できる?裁量免責の判断を参考にしてください。


裁判例から見る自己破産で避けるべき行動

自己破産のデメリットとして見落としやすいのは、財産や信用情報への影響だけではありません。申立ての過程で不誠実な対応をすると、免責が認められないリスクがあります。

裁判例 問題になった事情 読者が学ぶべき点
最高裁昭和36年12月13日大法廷決定 免責制度の趣旨が問題になった事案 免責は、誠実な破産者の経済的更生を図る制度として位置づけられます。
東京高裁平成7年2月3日決定 破産に至る経緯について虚偽の説明をしたことなどが問題になった事案 借入原因や財産状態を隠すと、免責判断に重大な影響を与えることがあります。
千葉地裁八日市場支部平成29年4月20日決定 離婚、復氏、解決金の受領などを申告しなかったことが問題になった事案 同時廃止であっても、財産や身分関係に関する虚偽説明・秘匿は重く見られます。

裁判例の結論は個別事情によって変わります。ただ、自己破産では、借入原因が悪いかどうか以上に、裁判所と破産管財人に対して正直に説明することが重要です。免責不許可事由について詳しく知りたい場合は、自己破産の免責不許可事由とは?11類型・裁量免責・不許可時の対応をご覧ください。


自己破産を選ぶべきか迷ったときの判断基準

自己破産を選ぶべきかは、借金額だけでは決まりません。返済可能性、残したい財産、保証人、非免責債権、仕事への影響を総合して判断する必要があります。

自己破産が向きやすい事情 慎重に比較すべき事情
毎月の返済原資がほとんどなく、今後も返済継続が難しい 安定収入があり、3年程度で相当額を返済できる可能性がある
持ち家や高価な財産がなく、処分対象財産が少ない 住宅を残したい、車が仕事に不可欠、保険や退職金見込額が大きい
保証人がいない、又は保証人も同時に相談できる 家族や友人が保証人で、請求が移ると大きな問題になる
免責される一般債務が大半を占める 税金、養育費、悪意の不法行為など免責されない債務が多い
資格制限の対象職ではない 警備員、保険募集人、士業など資格制限の対象になり得る

相談前に整理しておくとよい資料

弁護士に相談する前に、次の情報を整理しておくと、自己破産のデメリットを具体的に判断しやすくなります。

  • 債権者と借金額:貸金業者、銀行、クレジットカード、家族・友人、税金、養育費などを分けます。
  • 収入と生活費:給与、年金、手当、家賃、食費、医療費、扶養家族を整理します。
  • 財産:預貯金、車、保険、退職金見込額、不動産、相続予定、電子マネーなどを確認します。
  • 保証人の有無:家族、友人、会社、代表者保証など、請求が移る人を確認します。
  • 借入原因:生活費、病気、失業、ギャンブル、浪費、投資、事業資金などを隠さず整理します。
  • 仕事と資格:資格制限の有無、勤務先からの借入れ、給与差押えの有無を確認します。

自己破産が難しいケースを先に知りたい場合は、自己破産できない人・ケースとは?申立てと免責が難しい理由も参考になります。


自己破産のデメリットに関するよくある質問

自己破産の最大のデメリットは何ですか?

人によって異なりますが、多くの人に共通しやすいのは、信用情報への登録により一定期間カードやローンが使いにくくなることです。持ち家や車がある人は財産処分、保証人がいる人は保証人への請求、資格職の人は職業制限が大きなデメリットになります。

自己破産するとクレジットカードやローンは何年使えませんか?

信用情報機関や登録情報の種類によって異なります。CICやJICCでは5年程度の枠で問題になることが多く、全国銀行個人信用情報センターでは官報情報が破産・民事再生手続開始決定から7年を超えない期間登録されます。実際の登録状況は、各信用情報機関への開示で確認するのが確実です。

自己破産すると会社や家族に必ずバレますか?

自己破産だけで裁判所から勤務先や家族へ当然に通知されるわけではありません。ただし、勤務先から借入れがある、給与差押えがある、家族が保証人になっている、家族と同居して家計資料が必要になる、資格制限職で勤務調整が必要になるなどの場合は、知られる可能性があります。

自己破産すると戸籍や住民票に載りますか?

自己破産の事実が戸籍や住民票に記載されるわけではありません。官報には掲載されますが、戸籍や住民票に載るという説明は誤解です。

自己破産後にできない仕事はありますか?

すべての仕事ができなくなるわけではありません。ただし、破産手続開始から復権までの間、警備員、保険募集人、士業、宅地建物取引士など、一定の資格や職業で制限が問題になることがあります。対象職種かどうかは個別法と勤務実態で確認が必要です。

官報に載ると周囲に知られますか?

官報は誰でも閲覧可能ですが、一般の人が日常的に官報を確認していることは多くありません。そのため、官報掲載だけで直ちに周囲に知られるとは限りません。ただし、金融機関や信用情報機関、一定の業界では官報情報が確認される可能性があります。

デメリットがあるなら自己破産しない方がよいですか?

デメリットがあることだけで自己破産を避ける必要はありません。返済不能のまま放置することで、訴訟、差押え、遅延損害金、生活費不足が続くリスクもあります。重要なのは、自己破産、個人再生、任意整理のどれが自分の生活再建に合うかを比較することです。


まとめ

自己破産には、借金問題を法的に整理して生活を立て直せる大きなメリットがあります。一方で、財産処分、信用情報、官報、資格制限、保証人への影響、免責されない債務など、事前に確認すべきデメリットもあります。

  • 自己破産のメリットは、免責許可により多くの借金の支払義務を免れる点です
  • デメリットは、財産・信用情報・官報・資格制限・保証人への影響に分けて整理できます
  • 戸籍に載る、選挙権を失う、家族の財産が当然に処分されるという誤解は正しくありません
  • 税金・養育費・一部の損害賠償など、免責されない債務がある点には注意が必要です
  • 財産隠し、虚偽説明、債権者漏れ、家族だけへの返済は、免責で大きな問題になります

自己破産のデメリットは、事前に把握して準備すれば対策できるものもあります。借金額だけで判断せず、財産、保証人、職業、非免責債権、借入原因を整理したうえで、早めに相談することが大切です。

坂尾陽弁護士

自己破産は、デメリットを理解したうえで使えば生活再建の大きな手段になります。不安な点を隠さず相談して、あなたに合う解決方法を一緒に整理しましょう。

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