自己破産で退職金はどうなる?8分の1・4分の1の評価と証明書

自己破産をしても、退職金が必ず全額なくなるわけではありません。退職金は、破産手続では財産として確認されますが、在職中なのか、退職が近いのか、退職済みなのか、すでに受け取った後なのかによって評価方法が変わります。

一般的には、在職中で退職予定が具体化していない場合は退職金見込額の8分の1、退職間近・退職済みで未受領の場合は4分の1が評価額として問題になることがあります。ただし、8分の1・4分の1は裁判所実務上の目安であり、全国一律の法律上の割合ではありません。

  • 退職金は、在職中でも「将来受け取る可能性のある財産」として確認される
  • 退職予定がない在職中は、退職金見込額の8分の1で評価される運用が多い
  • 退職が近い場合や退職済み未受領の場合は、4分の1で評価されることがある
  • すでに受け取った退職金は、退職金債権ではなく現金・預金として扱われる
  • 退職金証明書が必要でも、勤務先に自己破産を伝えずに資料を準備できる場合がある

坂尾陽弁護士

退職金は、金額が大きくなりやすい一方で、必ず退職しなければならない財産ではありません。退職金見込額、証明書の取り方、積立の可否を早めに整理しましょう。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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自己破産で退職金はどうなる?まず結論

自己破産では、破産手続開始時に破産者が持っている財産は、原則として破産財団に属します。もっとも、破産法では差押禁止財産や自由財産は破産財団から外れるため、退職金についても全額が当然に処分されるわけではありません。

退職金は、給与と同じように生活保障の性質を持つため、民事執行法上、退職手当等の4分の3に相当する部分は差押えが禁止されます。そのため、法律上差押え可能な部分は基本的に4分の1が出発点になります。

さらに、在職中で退職予定が具体化していない場合は、将来本当に退職金を受け取れるか不確実です。そこで破産実務では、4分の1をそのまま評価するのではなく、さらに不確実性を考慮して、退職金見込額の8分の1を評価額とする運用がよく使われます。

状況 自己破産での基本的な評価 注意点
在職中で退職予定がない 退職金見込額の8分の1が目安 裁判所運用。退職金規程や証明書で見込額を確認する
退職予定が具体化している 退職金見込額の4分の1が問題になることがある 退職日、支給日、支給額の確実性が重要
退職済みだが未受領 退職金債権の4分の1が問題になることがある 会社への請求権として評価され、支給予定日も確認される
すでに退職金を受け取った 現金・預金・使途として評価 退職金という名称より、現在どこに残っているかが重要
中退共・小規模企業共済など 制度ごとに差押禁止財産か確認 一般の社内退職金と同じ8分の1評価とは限らない
MEMO

退職金の評価は、勤務先を退職させるための制度ではありません。破産手続では、退職しないまま「今退職したらいくら支給されるか」を確認し、その一部を財産として評価するのが基本です。

「20万円以下なら問題にならない」は目安であって絶対ではない

自己破産の実務では、退職金評価額が20万円以下かどうかが、処分の要否や管財事件になるかの目安として使われることがあります。たとえば、在職中で退職金見込額を8分の1評価する場合、見込額が160万円であれば評価額は20万円です。

ただし、20万円という金額は全国一律の法律上の基準ではありません。裁判所ごとの運用、他の財産との合算、自由財産拡張の申立て、退職の近さによって結論が変わります。「20万円以下だから申告しなくてよい」と考えるのではなく、退職金制度の有無と見込額を必ず申告することが大切です。


退職金が全額没収されない理由

退職金は、長年働いた後の生活費や再就職までの生活を支える性質があります。そのため、債権者が強制執行をする場合でも、退職手当等の4分の3は差押禁止とされています。

破産手続でも、差押禁止財産は原則として破産財団に属しません。したがって、退職金については、まず4分の3が保護され、残る4分の1が処分対象になり得る範囲として問題になります。

さらに、まだ退職していない人の退職金は、現時点で手元にある現金ではありません。会社の制度変更、懲戒解雇、勤務継続、会社の経営状態などによって、将来の支給額が変わる可能性があります。そこで、退職予定がない在職者については、4分の1をさらに半分にした8分の1を評価額とする考え方が実務で用いられています。

  • 4分の1評価:退職金債権のうち、差押え可能な部分を出発点にする考え方です。
  • 8分の1評価:在職中で支給が不確実な場合に、4分の1をさらに調整して評価する裁判所実務上の考え方です。
  • 受領済み退職金:すでに口座へ入った後は、退職金債権ではなく現金・預金として扱います。

8分の1・4分の1は「退職金を受け取れる人」の話

勤務先に退職金制度がない場合、退職金見込額は0円です。正社員でも、就業規則上の退職金制度がない会社や、勤続年数が短く支給条件を満たさない会社では、退職金が発生しないことがあります。

反対に、退職金制度がある会社で長年勤務している場合は、退職金見込額が数百万円から数千万円になることもあります。この場合、退職予定がなくても、8分の1評価額が20万円を超え、管財事件や積立の問題が生じることがあります。


在職中の退職金見込額は8分の1で評価されることが多い

在職中で、近いうちに退職する予定がない場合は、「破産手続開始時点で自己都合退職したと仮定した場合の退職金見込額」を確認します。その見込額の8分の1を財産評価額として扱う運用が多く見られます。

たとえば、退職金見込額が400万円の場合、8分の1は50万円です。この50万円が財産評価額として問題になります。50万円をそのまま一括で支払えない場合でも、事案によっては分割積立、自由財産拡張、他の財産との調整を検討します。

退職金見込額 8分の1評価 実務上の見方
80万円 10万円 単独では処分対象になりにくいことが多い
160万円 20万円 20万円基準との関係で境界になりやすい
400万円 50万円 管財事件や積立の検討対象になりやすい
800万円 100万円 自由財産拡張や組入額の調整が重要になる
1600万円 200万円 退職金だけで財産額が大きくなるため早期相談が必要

8分の1が払えないときは積立や自由財産拡張を検討する

退職していない場合、退職金見込額の8分の1といっても、実際にそのお金を受け取っているわけではありません。そのため、評価額が大きいと、破産者がすぐに用意できないことがあります。

このようなときは、破産管財人や裁判所の運用に従い、一定期間の積立で対応できるか、他の自由財産との関係で拡張が認められるかを検討します。費用や予納金も含めて準備が必要になる場合は、自己破産の費用が払えないときの対応も併せて確認してください。

退職金が高額でも、自己判断で退職してはいけない

退職金評価額が大きいからといって、自己破産前に退職すれば有利になるとは限りません。退職すると、将来の給与収入を失うだけでなく、退職金が現実に支給され、現金・預金としてより厳しく評価されることがあります。

また、退職金を受け取った後に家族へ渡したり、借入先の一部だけに返済したり、使途を説明できない形で現金化したりすると、財産隠し偏頗弁済を疑われるおそれがあります。退職や退職金の受領予定がある場合は、必ず事前に弁護士へ相談してください。


退職間近・退職済み・受領済みの場合は扱いが変わる

退職金の評価で最も重要なのは、「退職金を受け取る可能性がどの程度具体化しているか」です。在職中でも退職日が決まっている場合、すでに退職して支給日を待っている場合、すでに口座へ振り込まれた場合では、同じ退職金でも扱いが変わります。

退職日が決まっている場合

定年退職、早期退職、退職届提出済み、退職勧奨に応じる予定など、退職時期が具体化している場合は、将来支給される不確実性が小さくなります。そのため、在職中の8分の1ではなく、差押可能部分である4分の1が評価額として問題になることがあります。

退職金見込額が400万円であれば、4分の1評価では100万円です。8分の1評価の50万円よりも大きくなるため、退職予定の有無は必ず正確に申告する必要があります。

退職済みだがまだ受け取っていない場合

すでに退職しているものの、退職金がまだ支給されていない場合は、勤務先に対する退職金請求権として評価されます。この場合も、支給が具体化しているため、4分の1が問題になることがあります。

支給予定日、支給予定額、源泉徴収の有無、勤務先の支払見込みを確認し、財産目録に記載します。勤務先が倒産している場合や退職金の支給に争いがある場合は、回収可能性も含めて個別に検討します。

すでに退職金を受け取った場合

退職金がすでに銀行口座へ入金されている場合、破産手続では「退職金債権」ではなく、現金・預金として評価されます。退職金としての4分の1・8分の1ではなく、現在の預金残高、現金、使途が問題になります。

生活費、引越費用、医療費、弁護士費用など、必要性のある支出に使った場合でも、通帳、領収書、家計簿で説明できることが重要です。現金・預金の残せる範囲は、自己破産で現金・預金をいくら残せるかも確認してください。

注意

退職金の入金後に、家族名義口座へ移す、現金で保管する、一部の債権者だけに返す、といった行動を自己判断で行うのは危険です。生活費として使う場合でも、時期・金額・使途を説明できる資料を残しましょう。


退職金証明書・見込額資料の準備方法

自己破産では、退職金制度があるか、現在退職した場合にいくら支給されるかを確認する資料が求められます。典型的には、勤務先が発行する退職金見込額証明書、退職金計算書、就業規則の退職金規程などです。

退職金に関する資料は、自己破産の必要書類の中でも、勤務先との関係で取得に不安が出やすい書類です。会社に自己破産を知られたくない場合は、いきなり勤務先に「自己破産に使う」と伝えるのではなく、取得理由や代替資料の可否を弁護士と相談してから動きましょう。

資料 内容 取得時の注意点
退職金見込額証明書 現在自己都合退職した場合の支給見込額を会社が証明する書類 最も分かりやすいが、会社から用途を聞かれることがある
退職金規程・就業規則 退職金の計算式、支給条件、勤続年数別係数などを確認する資料 社内ポータルや規程集で確認できる場合がある
退職金計算書 規程に基づいて本人が計算した資料 給与明細、勤続年数、役職、基本給などの裏付けが必要
退職金制度がないことの資料 就業規則、雇用契約書、人事回答など 「分からない」ではなく、制度の有無を説明できる形にする
共済・企業年金の資料 中退共、企業年金、iDeCo、小規模企業共済などの制度資料 一般退職金と同じ扱いでよいかを制度ごとに確認する

勤務先にばれずに取得できることもある

退職金見込額証明書は、住宅ローン、ライフプラン、家計見直し、老後資金の確認など、自己破産以外の理由でも必要になることがあります。ただし、事実と異なる理由を作って会社へ説明することは避けるべきです。

会社へ証明書を依頼しづらい場合は、退職金規程や就業規則から計算できるか、社内ポータルで見込額を確認できるか、人事部に一般的な退職金計算方法だけを確認できるかを検討します。勤務先への影響が不安な場合は、自己破産が会社にばれる経路も確認しておくと安全です。

退職金制度がない場合も資料で説明する

勤務先に退職金制度がない場合、退職金見込額は0円です。ただし、申立書類では「退職金がない」と書くだけでなく、雇用契約書、就業規則、会社からの回答、給与体系の資料などで説明を求められることがあります。

特に勤続年数が長い場合や、同業他社では退職金制度が一般的な業種の場合は、裁判所や破産管財人から退職金制度の有無を確認されやすくなります。資料がない場合は、なぜ取得できないのか、どのように制度がないと確認したのかを整理してください。


中退共・小規模企業共済・企業年金は制度ごとに確認する

退職金という名称が付いていても、すべてが一般的な社内退職金と同じ扱いになるわけではありません。法律で差押えが禁止されている受給権については、破産手続でも自由財産として扱われる可能性が高く、8分の1や4分の1で当然に組み入れるものとは限りません。

中小企業退職金共済(中退共)

中小企業退職金共済法では、退職金等の支給を受ける権利について、譲渡、担保提供、差押えを禁止する規定があります。そのため、中退共に基づく退職金受給権は、一般の社内退職金と同じ8分の1評価でよいかを慎重に確認する必要があります。

ただし、税金滞納処分など例外が問題になることがあります。また、すでに退職して共済金が支払われ、銀行口座に入金された後は、受給権ではなく預金として扱われることがあります。制度資料、加入証明、支給予定通知を確認しましょう。

小規模企業共済

個人事業主や会社役員が加入している小規模企業共済についても、小規模企業共済法により、共済金等の支給を受ける権利の譲渡、担保提供、差押えが原則として禁止されています。

小規模企業共済は、経営者や個人事業主の退職金に近い制度ですが、法律上の差押禁止の有無を確認する必要があります。自己破産前に解約して現金化すると扱いが変わる可能性があるため、解約や貸付利用を自己判断で行わないでください。

企業型確定拠出年金・iDeCo・確定給付企業年金

企業型確定拠出年金、iDeCo、確定給付企業年金などは、退職金・年金に近い制度ですが、法律上の保護が別に定められていることがあります。これらは、一般的な退職金見込額とは別に、制度名、規約、残高通知、受給開始時期を確認します。

年金・iDeCoの扱いは、自己破産で年金・iDeCoが差し押さえられるかで詳しく整理しています。退職金と年金が混在している場合は、制度ごとに資料を分けて確認してください。


公務員の退職金は高額になりやすいので早めに確認する

公務員は、勤続年数が長いほど退職手当見込額が高額になりやすく、自己破産では退職金評価が大きな論点になることがあります。退職予定がない在職中でも、退職金見込額の8分の1が財産評価額として問題になる可能性があります。

公務員の場合、退職手当の計算方法が法令、条例、規則、共済関係資料などで確認できることがあります。勤務先に証明書を依頼する前に、公開資料や人事関連資料で概算できるかを確認し、必要に応じて弁護士と取得方法を検討します。

自己破産だけを理由に一般の公務員が当然に退職しなければならないわけではありません。ただし、共済貸付、給与天引き、職場が債権者になる場合、退職金資料の取得などから勤務先に知られる可能性はあります。公務員固有の注意点は、公務員が自己破産する場合の職場・懲戒・退職金の影響も確認してください。


退職金がある人が自己破産前にしてはいけないこと

退職金は金額が大きく、判断を誤ると管財事件、否認、免責不許可事由、勤務先への発覚リスクにつながります。特に、退職金を受け取る予定がある人や、すでに退職金を受け取った人は、申立前の行動に注意が必要です。

  • 自己判断で退職する:収入を失ううえ、退職金が現実化して現金・預金として評価されることがあります。
  • 退職金を家族へ移す:財産隠しや贈与を疑われ、返還や説明を求められる可能性があります。
  • 一部の債権者だけに返済する:偏頗弁済として問題になり、後で否認されることがあります。
  • 使途を残さず現金で使う:生活費でも、領収書や家計簿がないと使途不明金と見られることがあります。
  • 証明書の取得を先延ばしする:退職金額が分からないと、同時廃止か管財事件か、積立が必要か判断できません。

退職金で弁護士費用を払う場合も記録を残す

退職金を受け取った後に弁護士費用や申立費用へ充てること自体は、直ちに不自然とは限りません。しかし、支払時期、金額、委任契約、領収書、振込記録を残しておく必要があります。

退職金から高額な現金を引き出しているのに、何に使ったか説明できない場合は、破産管財人から詳しい説明を求められます。家計費、医療費、引越費、税金、弁護士費用など、支出の内容ごとに資料を整理しましょう。

税金滞納がある場合は別途注意する

自己破産をしても税金は原則として免責されません。退職金や共済金について、法律上差押禁止の規定がある場合でも、国税滞納処分等の例外が問題になる制度があります。

税金滞納がある場合は、破産手続と税務上の差押え・分納相談を分けて検討する必要があります。詳しくは、自己破産しても税金が免除されない場合の対応を確認してください。


退職金の評価で弁護士に相談すべきケース

退職金が少額で、制度も明確で、証明書もすぐ取得できる場合は、比較的整理しやすいことがあります。一方で、次のようなケースでは、申立前に弁護士へ相談した方が安全です。

  • 退職金見込額の8分の1が20万円を超える:管財事件、積立、自由財産拡張の検討が必要になりやすいです。
  • 近いうちに退職予定がある:8分の1ではなく4分の1評価になる可能性があります。
  • すでに退職金を受け取った:現金・預金・使途として厳格に確認されることがあります。
  • 勤務先に証明書を頼みにくい:代替資料で足りるか、取得方法を検討する必要があります。
  • 公務員・大企業勤務・長期勤続で退職金が高額:退職金だけで手続区分や組入額が変わる可能性があります。
  • 中退共・小規模企業共済・企業年金がある:差押禁止財産か、受領済みか、制度別に整理が必要です。

弁護士に相談するときは、勤務先名、雇用形態、勤続年数、退職金制度の有無、退職予定、退職金見込額、すでに受け取った金額、使途を整理しておくと、手続の見通しを立てやすくなります。


自己破産と退職金についてよくある質問

自己破産をすると会社を退職しなければなりませんか?

通常、自己破産をしたことだけで会社を退職しなければならないわけではありません。退職金評価は、退職を強制する制度ではなく、現時点での退職金見込額を財産として評価するものです。ただし、資格制限がある職種や勤務先から借入れがある場合は、別途確認が必要です。

退職金証明書を会社に頼むと自己破産がばれますか?

退職金証明書を依頼しただけで、必ず自己破産がばれるわけではありません。ただし、普段あまり取得しない書類であるため、用途を聞かれることはあります。会社に依頼する前に、就業規則や退職金規程で計算できるか、代替資料で足りるかを弁護士に相談してください。

退職金見込額の8分の1を払えない場合はどうなりますか?

一括で用意できない場合でも、一定期間の積立、自由財産拡張、他の財産との調整が検討できることがあります。退職金見込額が大きいほど管財事件になる可能性が高くなるため、費用や予納金も含めて早めに計画を立てることが重要です。

退職金制度がない会社でも資料は必要ですか?

必要になることがあります。勤続年数が長い場合や、退職金制度の有無が外から分かりにくい場合は、就業規則、雇用契約書、会社の回答など、退職金がないことを説明できる資料を準備します。

退職金をすでに生活費で使ってしまった場合はどうすればよいですか?

使ったこと自体を隠さず、通帳、領収書、家計簿、支払先の資料を整理してください。生活費、医療費、引越費用など合理的な支出でも、説明できなければ使途不明金と見られることがあります。家族への送金や一部債権者への返済がある場合は、特に弁護士へ相談してください。


まとめ|退職金は金額・時期・制度を分けて確認する

自己破産で退職金が問題になる場合でも、退職金が全額なくなるとは限りません。大切なのは、退職予定の有無、退職金見込額、受領済みかどうか、制度が差押禁止財産に当たるかを分けて確認することです。

  • 在職中で退職予定がなければ、退職金見込額の8分の1評価が使われることが多い
  • 退職間近・退職済み未受領では、4分の1評価になることがある
  • 受領済み退職金は、現金・預金・使途として確認される
  • 中退共・小規模企業共済・企業年金は、制度別に差押禁止財産か確認する
  • 証明書取得、積立、自由財産拡張は、申立前に弁護士と方針を決める

退職金は、同時廃止か管財事件か、どの程度の積立が必要か、勤務先に知られるリスクがあるかに関わる重要な財産です。退職金証明書を取る前、退職する前、退職金を使う前に、資料をそろえて専門家へ相談しましょう。

坂尾陽弁護士

退職金の扱いは、「8分の1」と聞いて終わりではありません。退職時期、制度、受領状況、裁判所運用で結論が変わるため、早めに見込額と資料を確認することが大切です。

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