自己破産の必要書類一覧|取得先・対象期間・不足時の対応

自己破産の必要書類は、申立書、陳述書、債権者一覧表、財産目録、家計収支表などの裁判所書類と、住民票、通帳コピー、給与明細、源泉徴収票、保険、車、不動産、退職金などの裏付け資料に分けて整理すると準備しやすくなります。必要な書類や対象期間は、申立先の裁判所や本人の事情によって変わるため、全国一律の固定リストだけで判断しないことが大切です。

  • 自己破産の必要書類は、裁判所へ提出する申立書類と、収入・財産・債務を裏付ける添付資料に分かれます。
  • 全員に必要になりやすいのは、申立書、陳述書、債権者一覧表、財産目録、家計収支表、住民票、通帳コピーなどです。
  • 給与明細、源泉徴収票、保険証券、解約返戻金証明書、退職金見込額証明書、車検証、不動産資料などは該当者ごとに必要です。
  • 通帳の対象期間、住民票の発行時期、給与明細の月数などは、裁判所の運用や事案によって異なります。
  • 書類がない場合は、放置せず、代替資料、取得できない理由、取得経過の説明を準備します。

坂尾陽弁護士

書類集めで大切なのは、「何が必要か」だけでなく、「どこで取得するか」「何か月分・何年分が必要か」「ない場合にどう説明するか」を同時に整理することです。この記事では、自己破産の必要書類を種類別に分け、取得先と不足時の対応まで確認します。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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自己破産の必要書類は「申立書類」と「添付資料」に分けて整理します

自己破産の申立てでは、裁判所が、支払不能かどうか、どのような財産があるか、債権者に漏れがないか、免責を許可してよいかを判断します。そのため、必要書類は単なる本人確認のためだけでなく、借金、収入、家計、財産、借入れの経緯を説明するための資料として提出します。

区分 主な書類 役割 準備のポイント
裁判所へ提出する申立書類 破産手続開始・免責許可申立書、陳述書、債権者一覧表、財産目録、家計収支表など 自己破産を申し立てる内容、借金の経緯、財産、債権者、家計を裁判所に説明します。 本人申立てでは自分で作成します。弁護士依頼では、本人の説明と資料をもとに弁護士が作成することが多いです。
本人・家族に関する資料 住民票、戸籍、同居家族の収入資料、賃貸借契約書など 本人の身分、世帯、住まい、家計の前提を確認します。 発行後の期限や同居者の記載、続柄・本籍の要否は裁判所の指示を確認します。
収入・仕事に関する資料 給与明細、源泉徴収票、課税証明書、年金・生活保護・失業給付資料、確定申告書など 返済不能の状況、今後の生活再建可能性、家計収支の整合性を確認します。 本人分だけで足りるか、同居家族分も必要かを確認します。
預貯金・財産に関する資料 通帳コピー、取引明細、保険証券、解約返戻金証明書、車検証、不動産登記事項証明書、退職金見込額証明書など 換価対象財産の有無、使途不明金、財産処分の有無を確認します。 名義、対象期間、直近記帳、ネット銀行、解約済み口座にも注意します。
債務・支払状況に関する資料 請求書、契約書、残高証明、訴状、判決、差押命令、税金・家賃滞納資料など 誰に、いくら、どのような債務があるかを確認します。 家族・友人、保証債務、譲渡済み債権、税金も漏れなく整理します。

手続全体の位置づけを確認したい場合は、自己破産の流れを先に読むと、書類がどの段階で必要になるかを把握しやすくなります。実際の申立先や申立方法は、自己破産の申請方法もあわせて確認してください。

全員に共通して必要になりやすい自己破産の書類一覧

まずは、職業や財産の有無にかかわらず、自己破産の申立てで共通して必要になりやすい書類を整理します。名称や書式は裁判所によって異なることがありますが、内容としては次のような資料が中心です。

書類 取得先・作成者 対象期間・目安 注意点
破産手続開始・免責許可申立書 裁判所書式をもとに作成 申立時点の情報 個人の自己破産では、破産手続開始と免責許可を同時に申し立てる扱いが一般的です。
陳述書・報告書 本人の説明をもとに作成 借入れの経緯全体 反省文ではなく、借入れが増えた経緯、返済困難になった事情を時系列で説明します。
債権者一覧表 本人情報・債権調査をもとに作成 申立時点の全債権者 金融会社だけでなく、家族・友人、勤務先、保証債務、税金、家賃滞納なども確認します。
財産目録 本人資料をもとに作成 申立時点の財産 預貯金、保険、車、不動産、退職金、現金、有価証券、暗号資産などを漏れなく確認します。
家計収支表 本人が作成又は弁護士と作成 直近1〜2か月分など 裁判所の運用により対象期間が異なります。通帳やレシートとの整合性が重要です。
住民票 市区町村役場 申立前3か月以内など 同居者全員、続柄、本籍の記載が必要になることがあります。
本人確認・住所資料 本人保管・各機関 現在の情報 運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードの扱いは、弁護士や裁判所の指示に従います。

申立書類は内容の整合性が重要です

申立書、陳述書、債権者一覧表、財産目録、家計収支表は、それぞれ別々の書類ですが、内容は相互に関係します。たとえば、陳述書で「生活費が不足して借入れが増えた」と説明するなら、家計収支表や通帳の入出金とも整合している必要があります。財産目録に保険を記載する場合は、保険証券や解約返戻金証明書も確認されます。

陳述書・家計簿・債権者一覧表は別記事で深掘りします

この記事では必要書類の全体像を扱います。具体的な書き方は、自己破産の家計簿の書き方自己破産の陳述書の書き方自己破産の債権者一覧表の書き方で確認してください。

収入・仕事に関する必要書類

自己破産では、現在の収入と今後の生活再建の見通しを確認するため、職業や収入に応じた資料が必要になります。給与所得者、無職、年金受給者、生活保護受給者、個人事業主では、準備する資料が異なります。

状況 主な必要書類 取得先 不足時の対応
給与所得者 給与明細、源泉徴収票、賞与明細、雇用契約書、勤務先からの借入資料など 勤務先、本人保管 給与明細がない場合は給与証明書、源泉徴収票がない場合は所得・課税証明書などを検討します。
会社役員 役員報酬明細、源泉徴収票、会社登記、会社の決算資料、会社からの貸付・借入資料など 勤務先会社、法務局、税理士等 会社破産や代表者保証が関係する場合は、法人資料も含めて整理します。
無職 無収入であることの説明、雇用保険受給資格者証、求職活動資料、生活費の原資資料など ハローワーク、本人保管 親族援助や貯金取崩しで生活している場合は、その入金・支出を通帳で説明します。
年金受給者 年金通知書、年金振込口座の通帳、年金額改定通知書など 日本年金機構、金融機関、本人保管 通知書がない場合は、年金振込が分かる通帳や再発行資料を確認します。
生活保護受給者 生活保護受給証明書、保護決定通知、保護費の入金が分かる通帳など 福祉事務所、本人保管 扶助の内訳、住宅扶助、医療扶助などの資料が必要になることがあります。
個人事業主・フリーランス 確定申告書、収支内訳書・青色申告決算書、帳簿、売掛金、買掛金、請求書、事業用通帳など 本人保管、税務署、会計ソフト、取引先 未申告や帳簿不足がある場合は、隠さず、売上資料・入金履歴・請求書などで代替説明を準備します。

給与明細・源泉徴収票は家計収支表との整合性を確認します

給与明細や源泉徴収票は、単に収入額を確認するだけの資料ではありません。家計収支表に記載した収入、通帳への給与振込、税金・社会保険料の控除、保険料控除などと整合するかも確認されます。給与明細に勤務先貸付、社内積立、財形、保険控除などが記載されている場合は、別途資料が必要になることがあります。

無職の場合も「収入がない」ことを説明する資料が必要です

無職であっても、必要書類が少なくなるとは限りません。生活費をどのようにまかなっているか、失業給付を受けているか、親族から援助を受けているか、貯金を取り崩しているかを説明する必要があります。家族から生活費を受け取っている場合は、その入金や家計負担の状況も整理します。

個人事業主は一般書類に加えて事業資料が必要です

個人事業主やフリーランスの場合、一般の自己破産書類に加えて、事業収支、事業用財産、売掛金、買掛金、在庫、設備、契約関係を説明する資料が必要になります。個人事業主の追加書類は分量が多くなりやすいため、個人事業主の自己破産に必要な書類で詳しく確認してください。

預貯金・通帳コピーの準備方法

通帳コピーや取引明細は、自己破産の必要書類の中でも特に重要です。裁判所は、収入、生活費、借入金の入金、返済、財産処分、親族送金、保険料、投資、浪費、使途不明金などを通帳から確認します。

資料 取得先 対象期間の目安 注意点
預貯金通帳コピー 本人保管 直近1〜2年分など 表紙、表紙裏、全ページ、定期預金・積立欄も確認します。
最新記帳済みの通帳 金融機関ATM・窓口 申立直前まで 申立前1週間以内など、直近記帳を求められる裁判所もあります。
ネット銀行の取引明細 ネット銀行のWeb・アプリ 裁判所の指定期間 PDFやCSVのままではなく、印刷形式や残高表示が必要になることがあります。
一括記帳・未記帳分の明細 金融機関窓口・Web 一括記帳部分 「合計記帳」だけでは入出金の内訳が分からないため、取引明細を取得します。
解約済み口座の明細 金融機関窓口 裁判所の指定期間 申立前に解約した口座でも、期間内の取引があれば説明を求められることがあります。

通帳コピーの対象期間は裁判所によって異なります

通帳コピーは「何年分を出せばよいか」がよく問題になります。裁判所によって、直近1年分、2年分、申立前の一定期間など運用が異なるため、申立先の書式や弁護士の指示を確認してください。古い通帳を捨ててしまった場合や、スマートフォンでしか明細を確認できない場合も、早めに金融機関へ取引明細の取得方法を確認します。

大きな入出金・現金引出しは使途を説明できるようにします

通帳に大きな現金引出し、親族への送金、証券会社や暗号資産交換業者への送金、保険料、車ローン、クレジットカード引落し、ギャンブル・投資に関係する入出金がある場合は、使途を説明する必要があります。説明できない入出金が多いと、補正や管財人調査につながることがあります。

注意

自己判断で口座を隠したり、提出しない通帳を作ったりすることは避けてください。使っていない口座、少額しかない口座、ネット銀行、給与振込口座、家族からの入金がある口座も、必要に応じて確認対象になります。

財産に関する必要書類|保険・車・不動産・退職金など

自己破産では、処分すべき財産があるか、自由財産として残せるか、管財事件になるかを判断するために、財産関係の資料を提出します。財産が少ないと思っていても、保険、退職金、車、過去の解約、相続、暗号資産などが問題になることがあります。

財産の種類 主な必要書類 取得先 注意点
生命保険・医療保険・共済 保険証券、契約内容照会、解約返戻金証明書、契約者貸付残高資料 保険会社、共済、代理店 本人が契約者の保険だけでなく、本人が保険料を払っている家族名義保険も確認が必要になることがあります。
自動車・バイク 車検証、査定書、ローン契約書、所有権留保の資料 本人保管、販売店、ローン会社、中古車査定業者 初年度登録、所有者名義、ローン残高、時価によって扱いが変わります。
不動産 登記事項証明書、固定資産評価証明書、査定書、住宅ローン残高証明、売買契約書 法務局、市区町村、不動産会社、金融機関 共有持分、相続未了、家族居住、住宅ローンの有無を確認します。
退職金 退職金見込額証明書、退職金規程、就業規則、計算書 勤務先、本人保管 退職予定がなくても、見込額の資料を求められることがあります。
有価証券・投資信託・暗号資産 口座残高、取引履歴、評価額、ウォレット・取引所明細 証券会社、暗号資産交換業者、アプリ 現金化済みでも、申立前の取引履歴や使途説明が必要になることがあります。
高価品・貴金属・ブランド品 購入資料、査定書、写真、売却資料 本人保管、買取業者 購入時期、現在価値、売却・譲渡の有無を確認します。
相続財産 戸籍、不動産資料、遺産分割協議書、預貯金資料 市区町村、法務局、金融機関、相続人 未分割の相続財産や相続放棄の有無も、財産調査に関係することがあります。

保険は「証券」だけでなく解約返戻金も確認します

保険証券が手元にあっても、それだけでは財産価値が分からないことがあります。解約返戻金がある保険では、保険会社に解約返戻金証明書を発行してもらう必要があります。給与明細や源泉徴収票の生命保険料控除、通帳の保険料引落しから、申告漏れの保険が見つかることもあります。

退職金見込額証明書が取りにくい場合は早めに相談します

退職金見込額証明書は、勤務先に自己破産を知られたくない方にとって取得しにくい資料です。勤務先への説明方法、退職金規程や就業規則で代替できるか、計算書で足りるかは事案によって変わります。自己判断で取得を諦めず、弁護士に相談してください。

財産が残せるか、処分されるか、自由財産拡張が問題になるかは、自己破産で残せる財産・失う財産で詳しく解説しています。

住まい・家族・家計に関する必要書類

自己破産では、本人だけでなく、同居家族を含めた家計全体が確認されることがあります。これは、家族の財産を取り上げるという意味ではなく、本人の収入・支出、家計負担、生活再建の見通しを確認するためです。

分野 主な必要書類 取得先 注意点
賃貸住宅 賃貸借契約書、家賃の支払履歴、滞納家賃資料、更新料資料 本人保管、不動産会社、管理会社 家賃滞納がある場合、債権者一覧表にも反映します。
持ち家 不動産登記、固定資産評価証明、住宅ローン残高証明、査定書 法務局、市区町村、金融機関、不動産会社 住宅ローン、共有名義、家族居住がある場合は早めに相談します。
同居家族の収入 家族の給与明細、源泉徴収票、年金資料、非課税証明書、生活保護資料など 家族の勤務先、市区町村、年金機関等 同居家族の収入で家計が支えられている場合、資料を求められることがあります。
公共料金・通信費 請求書、領収書、引落口座の明細、携帯端末分割契約など 各事業者、通帳、Web明細 高額な通信費、端末分割、滞納がある場合は説明が必要になることがあります。
養育費・婚姻費用・扶養 調停調書、公正証書、支払履歴、受領履歴など 家庭裁判所、公証役場、本人保管 免責されない可能性がある債務や家計支出として整理します。
家計収支 家計収支表、レシート、カード明細、通帳、現金出納メモ 本人作成、本人保管 現金引出しと支出の二重計上、家族立替、キャッシュレス支出に注意します。

家族の書類が必要になるかは家計の実態で変わります

同居家族がいる場合、家族の収入資料や家計負担の資料が必要になることがあります。たとえば、本人が無職で家族の収入によって生活している場合、家族が家賃や光熱費を負担している場合、本人の通帳に家族から入金がある場合などです。家族に自己破産を知られたくない場合も、どの資料が必要になりそうかを早めに確認する必要があります。

家計収支表は必要書類全体のつなぎ役です

家計収支表は、給与明細、通帳、レシート、カード明細、家族の負担、家賃、公共料金とつながります。家計収支表だけを作っても、通帳やカード明細と合わなければ補正が必要になります。書き方は自己破産の家計簿の書き方を参考にしてください。

債務・支払状況に関する必要書類

自己破産では、誰にどのような債務があるかを漏れなく整理する必要があります。債権者一覧表に記載する情報の裏付けとして、請求書、契約書、督促状、残高証明、裁判所書類などを確認します。

債務の種類 主な資料 注意点
貸金業者・カード会社・銀行 請求書、契約書、利用明細、督促状、残高証明、取引履歴 債権譲渡や代位弁済で債権者名が変わっていることがあります。
家族・友人からの借金 借用書、送金履歴、LINE・メール、返済履歴 「迷惑をかけたくない」だけで一覧表から外すことは避けます。
勤務先・取引先への債務 貸付資料、立替金資料、未払給与・未払報酬、請求書 勤務先が債権者になる場合、通知や関係調整に注意が必要です。
家賃・管理費・リース・携帯端末分割 契約書、請求書、滞納額資料、解約通知 生活や住まいに直結するため、滞納状況を早めに整理します。
税金・社会保険料 納付書、督促状、差押通知、分納資料 免責されない債務として残る可能性があるため、他の借金と区別します。
訴訟・差押え 訴状、支払督促、判決、和解調書、差押命令、仮差押命令 裁判所書類が届いている場合は、期限があるためすぐに共有します。
保証債務 保証契約書、代位弁済通知、求償金請求書 主債務者が返済中でも、保証人としての債務を確認する必要があります。

債権者一覧表の漏れは免責や通知に影響することがあります

債権者一覧表は、単に借入先の一覧を作るだけの書類ではありません。裁判所から債権者へ通知をする前提にもなり、漏れや誤りがあると、手続参加や免責の効力をめぐって問題になることがあります。家族・友人、勤務先、保証債務、税金、家賃滞納、債権譲渡後のサービサーも含め、分からないものほど早めに確認します。

債権者一覧表は提出後の訂正も重要です

宇都宮地裁令和3年5月13日判決は、破産申立人代理人について、提出済みの債権者一覧表に誤りが生じたことを知った場合には、訂正した債権者一覧表を提出するなどして、正確な債権者名や債権内容を裁判所に報告する義務を認めました。本人側としても、申立後に新たな債権者や代位弁済、債権譲渡、漏れが分かった場合は、すぐに弁護士へ共有することが大切です。

債権者一覧表の具体的な書き方は自己破産の債権者一覧表の書き方、財産隠し・債権者漏れのリスクは自己破産で財産隠し・債権者漏れをした場合で確認できます。

書類が足りない・取得できないときの対応

必要書類がすぐにそろわない場合でも、「ないから提出しない」で終わらせるのは危険です。取得先に照会し、代替資料を探し、取得できない理由を説明できるようにすることが大切です。

不足している書類 よくある理由 対応例
通帳・取引明細 紛失、ネット銀行、一括記帳、解約済み 金融機関で取引明細を取得し、ネット明細は残高と期間が分かる形で印刷します。
給与明細 紙でもらっていない、紛失した 勤務先に再発行や給与証明書を依頼し、通帳の給与振込や源泉徴収票で補います。
源泉徴収票 退職済み、紛失した、発行されていない 勤務先へ再発行を依頼し、難しい場合は所得・課税証明書などを確認します。
退職金見込額証明書 勤務先に自己破産を知られたくない 退職金規程、就業規則、計算書で代替できるか弁護士に相談します。
保険証券・解約返戻金証明書 証券を紛失した、契約内容が分からない 保険会社へ契約内容照会と解約返戻金証明書の発行を依頼します。
家族の収入資料 家族に説明できない、協力が得られない 必要性と範囲を弁護士に確認し、代替できる通帳入金や家計負担資料を整理します。
自営業の帳簿 帳簿を作っていない、クラウド会計のデータが見られない 確定申告書、売上入金、請求書、領収書、会計ソフトの出力、取引先資料で補います。
債権者資料 督促状を捨てた、債権譲渡先が不明 信用情報、通帳引落し、郵便物、メール、旧債権者への照会で確認します。

取得できない理由も資料になります

どうしても取得できない書類がある場合は、取得できない理由、照会先、照会日、回答内容をメモに残します。裁判所に対しては、単に「ありません」と説明するよりも、どのように探したが取得できなかったのかを示す方が、補正対応をしやすくなります。

不利な資料ほど早めに共有することが重要です

浪費、投資、ギャンブル、親族送金、財産処分、偏頗弁済、税金滞納、差押えなど、不利に見える資料を隠すと、かえって手続が重くなることがあります。問題がある資料ほど、早い段階で弁護士に共有し、説明方法や追加資料を検討してください。

申立先裁判所ごとの違いと提出前チェック

自己破産の必要書類は、法律だけで全国一律に決まるものではありません。裁判所ごとに書式、添付資料、対象期間、コピー方法、郵券、予納金、面接の有無が異なることがあります。そのため、ネット上の一覧だけで完結させず、申立先裁判所の書式や弁護士の指示に従う必要があります。

対象期間は固定ではありません

裁判所の添付書類一覧では、住民票は申立前3か月以内、給与明細は直近数か月分、通帳は直近1年分又は2年分など、裁判所ごとに異なる例があります。この記事の表は準備の目安であり、最終的には申立先裁判所の指定を確認してください。

提出前には、次の点をチェックしてください。

  • 発行日:住民票、証明書、残高証明などが古すぎないか確認する。
  • 対象期間:通帳、給与明細、家計収支表、確定申告書の期間が足りているか確認する。
  • 名義:本人名義、家族名義、事業名義、旧姓、屋号の資料を区別する。
  • コピー範囲:通帳の表紙、見開き、定期預金欄、白紙ページ、ネット明細の残高表示を確認する。
  • 一覧表との整合:債権者一覧表、財産目録、家計収支表、陳述書に矛盾がないか確認する。
  • 追加説明:大きな入出金、家族送金、財産処分、使途不明金について説明メモを準備する。

東京地裁の運用や少額管財を意識する場合は、東京地裁の自己破産手続も確認してください。裁判所への出頭や面接の有無は、自己破産で裁判所に行く回数で整理しています。

自己破産の必要書類に関するよくある質問

通帳コピーは何年分必要ですか?

裁判所によって異なりますが、直近1〜2年分程度を求められることがあります。申立直前まで記帳し、表紙、表紙裏、全ページ、定期預金欄、未記帳部分を確認します。ネット銀行の場合は、取引明細と残高が分かる資料を印刷又はPDFで準備します。

給与明細がない場合はどうすればよいですか?

勤務先に再発行や給与証明書の発行を依頼できるか確認します。どうしても難しい場合は、通帳の給与振込、源泉徴収票、所得・課税証明書などで補えるかを弁護士に相談します。

源泉徴収票がない場合でも自己破産できますか?

源泉徴収票がないだけで直ちに自己破産できないわけではありません。勤務先へ再発行を依頼し、退職済みなどで難しい場合は、市区町村の所得・課税証明書、給与明細、通帳などで補う方法を検討します。

家族の給与明細や通帳も必要ですか?

本人の事情だけでなく、同居家族の収入や家計負担が問題になる場合は、家族の給与明細、年金資料、非課税証明書などが必要になることがあります。家族の通帳まで常に必要というわけではありませんが、本人の生活費を家族が負担している場合などは追加資料を求められることがあります。

無職の場合の必要書類は何ですか?

無職の場合でも、住民票、通帳、家計収支表、財産資料、債権者一覧表などは必要です。加えて、失業給付、生活保護、年金、親族援助、貯金取崩しなど、生活費の原資を説明する資料を準備します。

本人申立てと弁護士依頼で必要書類は違いますか?

裁判所が確認する内容は大きく変わりません。ただし、本人申立てでは自分で申立書類を作成し、裁判所の補正に対応する必要があります。弁護士に依頼した場合は、本人が資料を集め、弁護士が申立書類を作成・整理することが多くなります。

必要書類がそろわないと申立てできませんか?

重要書類が不足していると、申立てが遅れたり、補正を求められたりします。ただし、どうしても取得できない資料がある場合は、代替資料や取得できない理由の説明で対応できることもあります。足りない書類を放置せず、早めに取得先と代替資料を確認してください。

書類を一部出さなければ財産を残せますか?

財産や通帳、保険、退職金などを隠すことは避けてください。財産隠しや虚偽説明は、管財事件への移行、免責判断への悪影響、場合によっては法的責任につながる可能性があります。残せる財産があるかどうかは、隠すのではなく、正確に申告したうえで自由財産や運用を確認します。

まとめ|自己破産の必要書類は早めに取得先と対象期間を整理しましょう

自己破産の必要書類は、申立書類、本人・家族資料、収入資料、通帳、財産資料、債務資料に分けて整理すると準備しやすくなります。特に、通帳、給与明細、源泉徴収票、保険、退職金、債権者資料は、取得に時間がかかることがあります。

  • 自己破産の必要書類は、裁判所書類と添付資料を分けて管理する。
  • 対象期間や発行時期は、申立先裁判所や事案によって異なる。
  • 通帳、給与、保険、車、不動産、退職金、同居家族、事業資料は不足しやすい。
  • 書類がない場合は、代替資料、取得できない理由、取得経過の説明を準備する。
  • 債権者や財産を隠さず、申立後に漏れや変更が分かったらすぐに弁護士へ共有する。

坂尾陽弁護士

必要書類の準備は、自己破産の手続全体の土台です。書類が多く見えても、取得先・対象期間・不足時の対応に分けて整理すれば、着実に進められます。不安な資料や家族に関係する資料がある場合は、早めに相談して、無理のない準備順を決めましょう。

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自己破産の必要書類を確認した後は、次の記事で家計簿、陳述書、債権者一覧表、申立方法を確認できます。

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